マチガ沢東南稜 - 県遭難防止条例

 山岳団体の会員でない筆者のような「無所属」の場合、谷川岳の「危険地区」への登山は、「10日前までに、登山届2通の提出」とされている。これを文字どおりに適用すると、週間天気予報が発表される前に、登山計画を確定せざるを得ず、これが谷川岳から足を遠ざけるひとつの理由となっていた。
 2009年の7月頃、近くの山域で、天候不順のため駐車場撤退。帰りがけに、ちょっと思い立って、谷川岳登山指導センターに立ち寄り、説明を聞くとともに、登山届の用紙をもらう(そのときは、用紙をもらっただけで、提出していない)。問題の提出期限については、「数日前までに、FAXで」とのこと。「数日」を「2〜3日」などと解釈すれば、条例の条文と整合しない。条例では、処理と郵送の日数を考慮して「10日前」と定められているとすれば(条例は昭和40年制定)、FAXの普及など、その後の通信事情の発達によって、条文どおりでなく、柔軟に運用していることになる。もちろん、利用者にとってはありがたい運用である。
 実際にも、2009年9月の場合、9月19日からの計画で、その数日前(条例の条文との関係で日付を書かない)の朝、登山届をFAXで送信すると(もちろん1通だけ・・ただし両面)、その翌日に、「届出済」のスタンプを押して、連休中の車両通行規制のチラシなどとともに、FAXで返信していただいた。
 なお、登山届に関しては、登山経験で可否を実質的に審査しているので、これを正確かつ詳細に記入せよとのこと(制定の登山届用紙には、「登山経験」欄がある)。筆者の場合は、「年月、ルート名(単独)」などと、最近2年ほどの岩登り系から、7件程度を並べた(記載欄はB4横で4行、各行に2件程度書ける)。
 一方、単独行であることや山岳会に所属していないことは、あまり問題にされないらしい。登山届の「同行者」、「所属団体」や「救助体制」の欄は「なし」と書いただけ。

 建前では「届出」としながら、届書の受理・不受理を通じて、実質的な審査を行う制度。本来は自由であるべきデモ行進を規制する都道府県公安条例を思い起こさせ、釈然としない面もある。しかし、登山指導センターを設置し、専門性の高い指導員を常駐させるだけでなく、他県人を含む登山客のために、指導いただいていると考えしかない(手数料も取らないので、費用負担はおそらく群馬県)。いずれにしても、事故を起こさないように注意したい。

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