このページの内容は、「中国法令集(会社法・手形小切手法・税法編)」に収録された法令の一部の日本語訳部分のみを紹介しています。同書は、中国語と日本語の対訳形式です。
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中華人民共和国個人所得税法(個人所得税法)
(1980年9月10日第五回全国人民代表大会第三次会議可決、1980年9月10日全国人民代表大会常務委員会委員長令第11号公布、1980年9月10日施行、1993年10月31日第八回全国人民代表大会常務委員会第四次会議関于修改《中華人民共和国個人所得税法》的決定(個人所得税法の修正に関する決定)修正、1993年10月31日中華人民共和国主席令第12号公布 1994年1月1日施行)
第1条(適用範囲) 中国国内に住所を有し、又は住所を有しないが国内において満一年居住した個人が、中国国内及び国外から生ずる所得は、この法律の規定に従って個人所得税が課税される。
中国国内に住所を有せず、居住しない個人、若しくは住所を有せず、国内において一年に満たない期間居住する個人の、中国国内から生ずる所得は、この法律の規定に従って個人所得税が課税される。
1993.10.31改正。住所(実施条例2条)、満一年居住(実施条例3条)、中国国内から生ずる所得(実施条例3条-4条)、分別計算(実施条例30条)
第2条(課税所得) 次に掲げる各種の個人所得は、個人所得税が課税される。
(1) 賃金・給与による所得。
(2) 個人経営工商業者の生産と経営による所得。
(3) 企業・事業機関・組織に対する経営の請負い・賃借による所得。
(4) 労務報酬による所得。
(5) 原稿料による所得。
(6) ライセンス料による所得。
(7) 利息・配当・割増配当による所得。
(8) 財産賃貸による所得。
(9) 財産譲渡による所得。
(10) 臨時所得。
(11) 国務院財政部が徴税する旨を定めたその他の所得
1993.10.31改正。定義(実施条例8条)
第3条(個人所得税の税率) 個人所得税の税率は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 賃金・給与による所得については、超額累進税率を適用し、税率は5%から45%とする(税率表は後記)。
(2) 個人経営工商業者の生産と経営による所得及び企業・事業機関・組織に対する経営の請負い・賃借による所得は、5%から35%の超額累進税率を適用する(税率表は後記)。
(3) 原稿料による所得は、比例税率を適用し、税率は20%とし、かつ納税すべき額に基づいて30%軽減して徴収する。
(4) 労務報酬による所得は、比例税率を適用し、税率は20%とする。労務報酬所得の一回の収入が標準より高い場合は、増加徴収を実行することができ、具体的な方法は、国務院が規定する。
(5) ライセンス料による所得、利息・配当・割増配当による所得、財産賃貸による所得、財産譲渡による所得、臨時所得とその他の所得については、比例税率を適用し、税率は20%とする。
1993.10.31改正。標準より高い場合(実施条例3条)
第4条(非課税所得) 次に掲げる各種の個人所得については、個人所得税を免除する。
(1) 省クラスの人民政府、国務院の部、委員会と中国人民解放軍の軍レベル以上の機関、組織、及び外国組織、国際組織が授与する科学、教育、技術、文化、衛生、体育、環境保護などの分野における奨励金
(2) 貯蓄、預金の利息、国債と国家発行の金融債券の利息
(3) 国家の統一規定に基づいて支給される補助金、手当
(4) 福祉費、弔慰料、救済金
(5) 保険賠償金
(6) 軍人の転職金、復員料
(7) 国家の統一規定に基づいて幹部、職員に支給する定住金、退職金、退職給与、離職給与、離職生活補助金
(8) 我が国の関連する法律の規定に従って免税とすべき各国の駐在大使館、領事館の外交代表、領事及びその他の人員の所得
(9) 中国政府が参加している国際条約、締結している協議の中で免税を規定する所得
(10) 国務院財政部門が免税を承認する所得
1993.10.31改正。非課税所得(実施条例12条-15条)
第5条(個人所得税の軽減) 次に掲げる事情の一に該当する場合は、承認により個人所得税を軽減して徴収することができる。
(1) 身体障害者、身寄りのない老人、烈士家族の所得
(2) 重大な自然災害により多大な損失となったとき
(3) その他の国務院財政部門が軽減を承認する所得
1993.10.31改正本条追加。軽減徴収(実施条例16条)
第6条(課税所得額) 課税所得額の計算は次のとおりとする。
(1) 賃金・給与による所得は、毎月の収入から、費用として八百元を控除した後の残額を、課税所得額とする。
(2) 個人経営工商業者の生産と経営による所得は、毎納税年度の収入総額から、原価・費用及び損失を控除した後の残額を、課税所得額とする。
(3) 企業、事業機関、組織に対する経営の請負い・賃借による所得は、毎納税年度の収入総額から、必要費用を控除した後の残額を、課税所得額とする。
(4) 労務報酬による所得、原稿料による所得、ライセンス料による所得、財産賃貸による所得は、その都度の収入が四千元を下回るときは、費用としての八百元を控除する。四千元を上回るときは、20%の費用を控除し、その残額を課税所得額とする。
(5) 財産の譲渡による所得は、財産譲渡の収入額から財産の原価と合理的な費用を控除した後の残額を、課税所得額とする。
(6) 利息・配当・割増配当による所得、臨時所得、その他の所得については、その都度の収入額を課税所得額とする。
個人がその所得を教育事業とその他の公益事業に対して寄付した部分は、国務院の関係する規定に従って、課税所得額から控除する。
中国国内において住所を有せず、中国国内において賃金・給与による所得を取得する納税義務者と中国国内において住所を有し、中国国外において賃金・給与による所得を取得する納税義務者は、その平均収入水準・生活水準及び為替交換率の変動状況に基づいて、追加控除費用を確定することができ、追加控除費用の適用範囲と基準は、国務院が定める。
1993.10.31第5条を第6条に。第2項、第3項追加。追加控除費用(実施条例26条-29条)、原価・費用(実施条例17条)、収入総額・必要費用(実施条例18条)、財産の原価(実施条例19条)、合理的な費用(実施条例20条)、都度の収入(実施条例21条)、寄付(実施条例24条)、国外給与(実施条例25条)、追加控除費用(実施条例26条-29条)
第7条(外国税額の控除) 納税義務者が中国国外において取得する所得については、その課税所得額の中より既に国外において納付した個人所得税の税額を控除することができる。但し、控除額は、その納税義務者が国外所得に対しこの規定に従って計算した納税すべき額を超えてはならない。
1993.10.31改正本条追加。外国税額(実施条例31条)、控除限度(実施条例32条)、国外納税の証明(実施条例33条)
第8条(納税義務者と源泉徴収) 個人所得税については、所得者を納税義務者とし、所得を支給する機関・組織若しくは個人を源泉徴収義務者とする。二以上から賃金・給与による所得を受けるとき、及び源泉徴収義務者がいないときは、納税義務者が自ら申告納税しなければならない。
1993. 10.31第6条を第8条に。改正。
第9条(申告と納税) 源泉徴収義務者が毎月控除する税額は、自ら納税者が毎月納税すべき額を申告し、翌月七日までに国庫に納入し、かつ税務機関へ納税申告書を提出しなければならない。
賃金・給与による所得の納税すべき税額は、月ごとに計算徴収し、源泉徴収義務者若しくは納税義務者が翌月七日までに国庫に納入し、かつ税務機関へ納税申告書を提出する。特定業種の賃金・給与による所得の納税すべき額は、年度ごとに計算し、月ごとに予納する方式で計算徴収を実行することができ、具体的な方法は、国務院が定める。
個人経営工商業者の生産と経営による所得の納税すべき額は、年度ごとに計算し、月ごとに予納する。納税義務者が翌月七日までに予納し、年度終了後三月以内に合算して、精算納付しなければならず、予納の過少を調整する。
企業、事業機関、組織に対する経営の請負い・賃借による所得の納税すべき額については、年度ごとに計算し、納税義務者が年度終了後三十日以内に国庫に納入し、かつ税務機関へ納税申告書を提出する。納税義務者が一年度内において数回に渡り企業、事業機関、組織に対する経営の請負い・賃借による所得が生ずるときは、その都度の所得取得後七日以内に予納し、年度終了後三月以内に合算して精算納付し、予納の過少を調整する。
中国国外において所得を取得する納税義務者は、年度終了後三十日以内に、納税すべき額を国庫に納入し、かつ税務機関へ納税申告書を提出しなければならない。
1993. 10.31第7条を第9条に、旧第9条削除。第2項、第3項、第4項追加。源泉税の予納と精算(実施条例39条)
第10条(各種所得の計算単位) 各種所得の計算については、人民元を計算単位とする。所得が外国通貨であるときは、国家外国為替管理機関が規定する外国為替相場に基づいて人民元に換算し、税金を納付する。
1993. 10.31第8条を第10条に。改正。
第11条(源泉徴収手続料) 源泉徴収義務者に対し源泉徴収する税額に基づいて、2%の手続料を支給する。
1993. 10.31第10条を第11条に。改正。旧第11条、第12条削除、第13条削除。
第12条(徴収管理の執行) 個人所得税の徴収管理は、中華人民共和国税収徴収管理法(税収徴収管理法)の規定に従って執行する。
1993.10.31改正本条追加。
第13条(実施条例の制定) 国務院はこの法律を基に実施条例を制定する。
1993.10.31第14条を第13条に。改正。
第14条(施行期日) この法律は、公布の日から実施する。
個人所得税税率表1(賃金・給与による所得に適用)
1993.10.31改正。
級 | 全月の課税所得額 | 税率(%) |
1 | 500元を超えない部分 | 5 |
2 | 500元以上2000元までの部分 | 10 |
3 | 2000元以上5000元までの部分 | 15 |
4 | 5000元以上20000元までの部分 | 20 |
5 | 20000元以上40000元までの部分 | 25 |
6 | 40000元以上60000元までの部分 | 30 |
7 | 60000元以上80000元までの部分 | 35 |
8 | 80000元以上100000元までの部分 | 40 |
9 | 100000元を超える部分 | 55 |
(注:この表の全月の課税所得額とは、この法律第6条の規定に従って、毎月の収入より費用としての800元を控除した後の残額若しくは追加控除費用を控除した後の残額とする。)
個人所得税税率表2(個人経営工商業者の生産と経営所得と企業、事業機関、組織に対する請負経営、リース借受経営所得に適用)
1993.10.31改正。
級 | 全年の課税所得額 | 税率(%) |
1 | 5000元を超えない部分 | 5 |
2 | 5000元以上10000元までの部分 | 10 |
3 | 10000元以上30000元までの部分 | 20 |
4 | 30000元以上50000元までの部分 | 30 |
5 | 50000元を超える部分 | 35 |
(注:この表の全年の課税所得額とは、この法律第6条の規定に従って、毎納税年度の収入総額より、原価、費用及び損失を控除した後の残額とする。)
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