パシフィックエンジニアリング 中国室言語グループ編(文責:亀島)
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補足
- (A〜Z)
- BIG5コード
- コンピュータ用の文字コード。1984年に台湾で制定。 台湾、香港地域で広く使われている。(-->「4.2. BIG5コード)
- Bopomofo
- いわゆる「注音字母」の別名。 (-->「A2. 補足 中国語の表音方法 - ピンインと注音字母、ウェード式ローマ字」)
「bo-po-mo-fo」は子音字母の最初の 4文字を発音したもの。 「alphabet(アルファベット) < alpha(アルファ) - beta(ベータ)」などと同様のネーミング。
- GBコード
- コンピュータ用の文字コード(簡体字用)。 中国の国家標準局が1981年のGB2312以来、数次にわたって制定。(-->「4.1. GBコード」)
なお、「GB」は「Guobiao(国標)」の意。
- Pinyin
- (-->「ピンイン」)
- Mandarin
- 清朝の高級官員の意味。 言語学者は「Mandarin Chinese」を官話方言の意味で使う。 最近の英語圏で「普通話」を一般に「Mandarin」や「Mandarin Chinese」と言っている。(-->「官話」)
- Unicode
- コンピュータ用の文字コード。1990年に欧米系のメーカーが中心となって発表された。 中国・日本・韓国の漢字ほか世界各国のあらゆる文字を統一的に 2バイトのコードを与えようとしたもの。(-->「4.4. Unicode」)
- Wade式ローマ字
- (-->「ウェード式ローマ字」)
- (カタカナ)
- ウェード式ローマ字
- 英国人 Thomas Wade(1818-1896)が、1967年に発表した中国語教科書で使用したラテン文字による表音表記。現在でも使用されることがある。(-->「A2. 補足 中国語の表音方法 - ピンインと注音字母、ウェード式ローマ字」)
- ピンイン
- 1958年に中国政府が「」によって公布したラテン文字による漢字表音方法。子音は「ラテン化新文字」の影響を強く受けているが、必ずしも「漢字廃止」を目標としたものではなく、漢字(北京音)の表音手段とされている。(-->「A2. 補足 中国語の表音方法 - ピンインと注音字母、ウェード式ローマ字」)
- ラテン化新文字
- 漢字を廃止して、中国語をラテン文字表記する方法として、瞿秋白が1928年に考案(1929年)。 山東音の影響が大きい。 子音は現在のピンイン(Pinyin)とほとんど同じ。 「」(現在の>ピンイン)に大きな影響を与えたと推定される。(-->「A2. 補足 中国語の表音方法 - ピンインと注音字母、ウェード式ローマ字」)
- (漢字)
- 官話
- 明清朝の官吏共通語の意味で使われることもあるが、現代中国の学者は方言分区の意味で使用している。北京を含む北方の一帯を含む最大の方言分区(漢民族の70%程度)で、「北方方言」とほぼ同義。「北京官話」、「東北官話」、「西南官話」など数個に細分される。(-->「1. 現代中国語とは」)
- 漢語
- 中国では、「中国語」の意味で使われている。多民族国家の中国で「漢民族の言葉」という程度の意味。(-->「1. 現代中国語とは」)
- 漢音
- 日本に伝わった漢字音(漢字の音読み)の一種。 唐代の長安地域の中国語音を転写したものと考えられている。呉音と比べると子音に著しい特徴がある。 若干の漢字の漢字の呉音/漢音を並べると「米(マイ/ベイ)」、「内(ナイ/ダイ)」など。(-->「呉音」、 「A4. 補足 日本と中国の漢字音」)
- 漢文
- 8世紀頃から日本に流入した中国の文章語。現代中国語とは、語法・語彙とも相当異なる。中国で「文言」といわれている文章語とほぼ同じ。(-->「A1.1. 現代書面語 (白話文)の成立」)
- 簡化文字
- 中国独自の漢字字画の省略で、1956年に国務院が「漢字簡化方案」を発表して以来、数次にわたって実施された。現在は、1965年の「簡化字総表」による簡化が行われている。なお、1977年に「第二次漢字簡化方案(草案)」が発表されたが、実施されないまま1986年に草案は廃棄された。「簡化字総表」では、簡化字350個(第一表)のほか偏旁の簡化14個などが規定されている。(-->「1.2. 文字(簡化文字、簡体字)」)
- 簡体字
- (-->「簡化文字」)
- 広東語
- 広東省を中心に分布している中国語の粤(Yue4、エツ)方言。 香港がこの方言分区に属するほか、粤方言の話者は台湾・東南アジアに広く分布している。(-->「1.4. 香港、その他の華僑地域」)
- なお、 香港では、 1997年の中国返還後も教育現場で広東語を使い続けている。 そのため、 広東語の辞書が日本でも容易に入手できるなど、 普通話に押されて地位が低下している他の官話方言とは違う状況を示している。
- 呉音
- 日本に伝わった漢字音(漢字の音読み)の一種。 隋初以前の南北朝頃の中国語音を転写したものと考えられている。子音部分の清濁の区別などは、現代中国語の南方各方言とよく一致する。(-->「漢音」、 「A4. 補足 日本と中国の漢字音」)
- 国語
- 1913年に中華民国で制定された標準語。 現在でも台湾の教育の基準となっている。(-->「1. 現代中国語とは」)
- 国語羅馬字
- ウェード式ローマ字を改良したラテン文字による中国語の表音方法。(-->「A2. 補足 中国語の表音方法 - ピンインと注音字母、ウェード式ローマ字」、-->「注音字母第 2式」)
- 台湾語
- 日本で「台湾語」というときは、中国語の(Min3、ビン)方言のうち、南話(福建省の南部方言)、ないし、この方言に台湾独自の語彙などを含めた言語を指す。現在の台湾住民の約70%がこの言語の話者とされている。(-->「1.3. 台湾の中国語」)
なお、英語で「Formorsan(台湾語)」というときは、アウストロネシア語族の台湾原住民の言語(漢語とは系統の違う言語、 中国で言う「高山族語」など)を指すことが多いので注意を要する。
- 注音字母
- 中国語音を表記するための表音文字で Bopomofoとも呼ばれる。1913年決定され、1918年に中華民国教育部より公布された。台湾では現在でも使われている。(-->「A2. 補足 中国語の表音方法 - ピンインと注音字母、ウェード式ローマ字」)
- 注音字母第 2式
-
「国語羅馬字」の正式名称。(-->「A2. 補足 中国語の表音方法 - ピンインと注音字母、ウェード式ローマ字」)
- 白話
- 唐代以降の口語単語で書かれた文章を「白話文」と呼んでいる。 元代以降盛んになり、「水滸伝」や「紅楼夢」などの大衆小説を生み出した。
- 白話文運動
- (-->「A1. 補足 現代中国語の成立小史」)
- 繁体字
- 中国が「簡化文字」を実施して以来、旧来の文字は繁体字と呼ばれる。 各地で独自に作られた文字を除くと、 日本の常用漢字化以前の正字(旧字体、 康熙字典体)と同じ。 漢字簡化の及んでいない台湾・香港で使われているほか、 東南アジアやアメリカの華僑社会でも使われている。(-->「1.2. 文字(簡化文字、簡体字)」)
- 普通話
- 1955年に制定。 「北京語音を標準音、北方語を基礎語彙として典型的な白話文を語法の規範とする」と定められている。 しかし、具体的な語彙や語法が指定されているわけではないので、 「白話文」、「北京語音」などの定義で問題が多い。(-->「1. 現代中国語とは」、 -->「A1.2. 漢字読音の統一」)
- 福建語
- 中国語の(Min3、ビン)方言。 大きく南北に区分され、それぞれ「南話」、「北話」と呼ばれる。 南話はいわゆる「台湾語」。なお、「(Min3、ビン)」は福建省の別名。
- 文言文
- 古代漢語(中国語)を基礎にした文章語。(-->「A1.1. 現代書面語 (白話文)の成立」)
- 北京官話
- 「官話」方言を細分化した方言分区。 官話方言内部でも特に声調に大きな変異があるので、 官話方言は 4から5の方言分区に分けられる。 そのうち北京を含む地域の方言を北京官話という。(-->「1. 現代中国語とは」、 -->「A1.2. 漢字読音の統一」)
- 北京語
- (-->「北京土語」)
- 北京土語
- 「北京で話されている言葉」という意味で、 言語学者の言う「北京官話」と同じ。(-->「1. 現代中国語とは」、 -->「A1.2. 漢字読音の統一」)
- 拉丁化新文字
- (-->「ラテン化新文字」)
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