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伽倻山(カヤサン)(2017.12.2)

 韓国の慶尚南道の北西部、慶尚北道との境界上にある山で、標高1400m強。登山口の海印寺(高麗大蔵経板で有名)まで、大邱から市外バスで約1.5hと、やや不便だが、伽倻山国立公園に指定されている風光明媚な場所である。
 朝鮮半島(中国南部なども)の山は、その山頂部がほとんど例外なく岩峰。これには理由がある。日本列島と比べると、火山活動や地震断層運動などが非常に少なく、山を作るような地殻変動が活発でないので、山の成因は主として差別侵食(選択侵食)。大陸地塊が削られるときに、柔らかい部分が早く削られて低地になり、硬い部分が削り残されて山になったということである。そのため、山頂部には硬い岩が残ることになる。たとえば、八公山(パルコンサン)の山頂にある石仏は、下から運び上げたものでなく、その場にあった岩に彫ったもの。この山の山頂部も、永年の侵食に耐え、やや丸みを帯びた大きな岩塊で、独特の雰囲気がある。(単独)


山頂付近から・・薄く冠雪している

海印寺・・沢筋はカエデの紅葉が楽しめる



富士山の積雪(2017.11.3)

 冬~春(2017前半)に続けて、定点写真。ここで「山頂」は剣が峰の山頂標、「神社」は富士宮口頂上の奥宮前。

 2017.11.3、御殿場口早朝発の日帰り。途中から雪を踏むと想定し、アイゼン・ピッケルを準備していたが、明るくなると、山頂まで見渡せて、御殿場口登路の南斜面には、沢筋を含めて、雪がまったくない(火口内などの日陰に少量の雪がある)。10月中にはそれなりの積雪があったが、前週と前々週の台風(それぞれ台風21号と台風22号)で融けたとされている。ただ、この時期の無雪は、そんなに特殊な現象ではない。前年には、11月初旬にもやや多い積雪があったが(2016後半)、前々年の同時期には、ほとんど無雪で(2015後半)、このほうが富士山らしい。この時期、気象通報では、正午の気温も連日ほぼ氷点下だが、降水量より強風と日照で消失する量が多いことで説明がつく。実際に、1月頃でもほとんど雪のないこともある。(単独、アイゼン・ピッケル・・まったく使わなかった)


2017.11.3(山頂)

2017.11.3(神社)



槍ヶ岳北鎌尾根(2017.10.7-10.8)

 上高地から入り、水俣乗越から天上沢に。北鎌沢を登り、北鎌沢のコル(なぜか最近では「北鎌のコル」と表記されることがあるが、やはり「北鎌沢の・・」)でテント。この日は本降りの雨で、北鎌沢はほとんどシャワークライミング・・というのは大げさで、安易な階段のぼりだが、足場は水流の中なので、靴と靴下を濡らさずに登ることはできない。濡れた服で、テント内は不快。ほとんど寝られない。深夜から一転して晴天(星空)だが、シュラフまで濡れているので寒い。
 翌日は、久しぶりのコースで、何度か迷いながらも、独標を千丈沢側に巻いたほかは、ほぼ稜線を歩き(独標先、最近は巻道より、稜線越しを行くのが流行らしい・・)、槍の山頂。祠の前の写真待ち行列をかき分けて、槍の肩へ。槍ヶ岳山荘前は、前週(2017.9.30)にも来ている場所だが、この週は3連休ということもあって、人口密度は前週よりずっと高い。この場所では、休憩する気にもなれない。走るように槍沢から下山。夕方、ゲートが閉まる少し前に上高地に着く。
 前週以来、デジカメのレンズカバー破損のままなので、画面の一部欠損・・。(単独、テント装備)


独標先のピークから(10年以上前、ここでテントを張った記憶が・・)



小槍(2017.9.30)

 新穂高から日帰り。この日は快晴だが風が少し強い。曾孫槍のコルは、風の通り道。やや早い時刻でもあり、気温も低く、靴を履きかえると、フラットソールの足首に冷風が当たる。取り付きが日陰であることもあって、寒い。前回(2017.8.19)から1ヶ月。季節が確実に進んでいることを実感する。
 カメラをポケットから取り出すが、デジカメのレンズカバー(撮影時にモーターで開く)が破損して、完全に開かない。撮った写真は、画面上下が欠損している。修理しなければ・・。(単独、ロープ9mmx50m他)


画面の下部、中央から右上する凹角が取り付きだが、この時刻、日陰で寒い。



高千穂峰(2017.9.23)

 鹿児島到着日、空港から至近の山へ(霧島連山の東端)。15:00頃にスタートして高千穂河原から往復。
 1500mほどの低い山なので、本来の安定した植生なら、樹林に覆われているはず。それが、繰り返し噴火する火山のために、荒涼とした植生の火山灰斜面で、高山帯を思わせる。樹林が育たない理由を考えると、噴火の恐ろしさを感じずにはいられないが、登山道は御鉢の火口縁を通っていて、地形も変化に富み、風景はすこぶる佳良。
 山頂は、有名な鉾のオブジェのほか、ミニ鳥居と説明版、旗竿、それから、山名標、指導標、・・と、国立公園の特別保護地域としては、いささか人工物過剰に思えるが(富士山よりマシかな)、神社(霧島東神社・・宮崎県)の飛地境内で、記紀神話の天孫降臨を演出しているらしい。これをパワースポットとするか、それとも皇室崇拝に結びつけるかなど、見る人それぞれだろうが、筆者の場合にはそんな気分にならない。いわゆる神気や霊気など、なんらかの宗教的な雰囲気を感じさせるには、開放的すぎる空間ということだろう。(2人)



富士山頂の鳥居(2017夏・・2回分まとめて)

 夏のシーズンには積極的に登らない。登山期間の開始前(2017.7.8)と終了後(2017.9.16)など、あまり人口密度が高くなさそうな日を選んで・・だが、それでも相当数の人が山頂部にいる。

 2017.7.8は、本格シーズンの直前(この年、吉田口が7/1~、他は7/10~)。御殿場ルートは、火山灰斜面なので、台風の雨や雪解けの水で、すぐに道型が崩れ、春先には、ミニ土石流のあとで、登山道が寸断される。毎年、シーズン前に重機も入れてメンテナンス。この時期には、すでに登山道の整備は終わっている。神社の灯篭も、冬用の覆いを外され(今まで、ほとんど見たことがなかった姿)、本格シーズンに向けてスタンバイ。神社の入口の引き戸も少し開いているので、人がいがいるらしいが、まだ業務を始めていない。

 2017.9.16は、9月上旬までのシーズンが終わり、登山道は数日前に閉鎖されたばかり。たくさんある指導標も、撤去されたり、樹脂の表示板が取り外されたりしている。
 夏山モードの夜間登山で(積雪期は、強風や滑落のリスクを避けるため、御殿場口で標高2600m前後、吉田口なら標高2400m前後の場所で明るくなることを想定した時間設定で登る)、日付が変わる頃に御殿場口から歩き始めて、早朝に山頂。冷える時刻らしく、山頂部は霧の中で湿ったみぞれが舞っている。前年のこの時期には積雪があったが(2016.9.25)、この日の様子では、積もりそうな降雪ではない。
 神社の鳥居が新調され、真新しいものに取り替えられていることに気づく。昼夜を問わず、たくさんの登山者がいるシーズン中に、取替作業をしたらしい。(単独)


2017.7.8(山頂・・火口内に雪)

2017.7.8(神社の鳥居はこのあと、新調される)

2017.9.16(視界のない山頂)

2017.9.16(真新しい鳥居)


小槍(2017.8.19)

 この日は、雨のあと、晴れないので、岩も乾ききらず、フラットソールが滑る。
 例によって、新穂高からの日帰り。大槍なら、槍ヶ岳山荘前からの往復で15分もかからないのだが(混雑していてもどこからでも登れる)、小槍の場合は、槍ヶ岳山荘前でハーネス装着やロープの準備、そして小槍取り付きで靴を履き替え・・と時間がかかり、槍ヶ岳山荘前からのアプローチを含めて2h近くかかる(新穂高を4:00頃に出ても、この写真では終了点の直下で11時過ぎ)。このあと、大槍も登り、正午前に下山開始。夕方に新穂高に戻る。(単独、ロープ9mmx50m他)


終了点数メートル下のレッジで(-->ルート・・ほぼ3の場所)


開聞岳(2017.6.3)

 暑い季節なので早朝ハイキング。遠くから見ると、富士山よりやや角度の鋭い均整のとれた円錐。周囲のほとんどを海に囲まれていて、山体の全部が視界に入るが、その山容は秀麗。しかし、標高1000mにも及ばない低山なので、植生は常緑樹の深い樹林。登路はこれを人工的に切り開いたものとなる。そのため、実際に歩いてみると、樹林帯のハイキングに終始することに。樹間から見える海は絶景だが、登山というには、ちょっと物足りない。登山路の雰囲気を考えるなら、この近くの山では、霧島山域の高山帯を思わせるような荒涼とした火山灰斜面がベターにも思える。(2人)


登山道の途中から。長崎鼻と遠景に大隅半島。



伯耆大山(2017.4.8)

 関西方面からは、アクセスのよい山なので、積雪期にときどき登っている。一度だけ剣が峰往復(残雪期・・トレースつき)があるほかは、雪崩の心配のない尾根道である夏山登山道を弥山まで往復しているだけ、北壁を登っているわけではないが・・。
 積雪期富士山などからの悪天候転進の結果として登ることが多く、そんなときは冬型気圧配置なので、好天のことはほとんどない。この日も、山頂部はガスで視界ゼロだが、下山中は晴れて、珍しく写真が撮れた。(単独、アイゼン・ピッケル)


遠景に日本海も。



富士山の積雪(2017前半・・4回分まとめて)

 安易に登れる山が少なくなる厳冬期や春先、富士山ハイキングが昨年からの習慣になってしまった。まあ、関西方面からのアクセスも悪くないし、降雪・降雨中やその直後を除き、なだれのリスクも小さく、強風にさえ注意すれば、3000m級の山としては、例外的に容易(この記事の項は、すべて御殿場口から日帰り)。ということで、前年と同様の定点写真に。なお、写真の説明で「山頂」は剣が峰の山頂標、「神社」は富士宮口頂上の奥宮前。
 富士山は、太平洋岸なので、冬型の気圧配置のときには、強風だが、雪は降らずに晴れ上がる。そして、降った雪は、すぐに吹き飛ばされる。残った雪も、風で表面が削られてカチカチに(ウィンドクラスト)。そのため、この山で雪が増えるのは、冬型の気圧配置がまれになる3月下旬ぐらいからで、たぶん4月から5月初旬の連休頃が最も多雪。しかし、この年に関しては、前年末のドカ雪で、1月初旬から珍しく多雪。前年(2016.1.16)と比べても明らかに多い。(すべて単独、アイゼン・ピッケル)


2017.1.7(山頂)

2017.1.7(神社)

2017.2.4(山頂)

2017.2.4(神社)

2017.3.12(山頂)

2017.3.12(神社)

2017.4.30(山頂)

2017.4.30(神社)


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