韓国の慶尚南道の北西部、慶尚北道との境界上にある山で、標高1400m強。登山口の海印寺(高麗大蔵経板で有名)まで、大邱から市外バスで約1.5hと、やや不便だが、伽倻山国立公園に指定されている風光明媚な場所である。
朝鮮半島(中国南部なども)の山は、その山頂部がほとんど例外なく岩峰。これには理由がある。日本列島と比べると、火山活動や地震断層運動などが非常に少なく、山を作るような地殻変動が活発でないので、山の成因は主として差別侵食(選択侵食)。大陸地塊が削られるときに、柔らかい部分が早く削られて低地になり、硬い部分が削り残されて山になったということである。そのため、山頂部には硬い岩が残ることになる。たとえば、八公山(パルコンサン)の山頂にある石仏は、下から運び上げたものでなく、その場にあった岩に彫ったもの。この山の山頂部も、永年の侵食に耐え、やや丸みを帯びた大きな岩塊で、独特の雰囲気がある。(単独)